True Heart


DAPとしてはそこそこに高価なiBassoのDX90を購入してしばらくが経過したのですが、
その出音になぜか不満がありました
技術的にはDX90はESSのES9018K2MというDACを左右独立で搭載していて、
他社からも続々と同チップを採用した機種が発売されている事からも非常に最先端の機種です
しかし、世間からの評判は今ひとつであり、
個人的にも曇った音であまり好ましくは思いませんでした
なぜ自分は前回も高価なSONYのDAPやアンプを買っておきながら、
今回も同じ様な不満を覚える失敗を繰り返しているのかと思案していると、
その答えは両者に共通するある種の思い込み、
それはつまり、

『視聴時は良い音に聴こえていると思っていたけれど本当は心から好きでなかった』
と、いう物足りない何かを埋める為に自らを騙しながらも押し進めてしまう、
浅はかな恋の過ちの様な早熟な感情でした

そこまで考えて私は本当の自分の気持ちに気づきました

初めからDX90は好きではなかったという事
事前の情報による先入観に惑わされずに良いモノと認められる事

これから出会えた好きなモノを調べていくと、
その周りの人もみんな笑顔になっていたりする、
そんな幸せな連鎖を生み出す奇跡のアイテムを、
人は名機と言います

カメラにおいても私が手放す事の出来ない個性的な写りをしてくれる愛機がたくさんありました

今は真っ暗で先の見えないポータブルオーディオの世界にも、
手放したく無いと心から思える愛機との出会いがきっとあるはずだと思いました

これからの私に必要な発想は、
自分が本当に満足できるこれしか無いという標準を作る事
オーディオ用語ではリファレンス=基準機と呼ばれますが、
自分だけのMy Referenceを決めるという事


その為の一つのヘッドホン、一つのイヤホン、一つのシステム


各々のコンポーネントの組み合わせが真に交わる時、

心揺さぶる感動の音が生まれるその瞬間を私は未来に見たのでした


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