EK JAPAN TU-HP01 with MUSES02
前回に紹介したLittleBear B-1の真空管ポータブルアンプの世界がすっかり気に入ってしまい愛用する毎日を楽しんでおりました
しかし、使い勝手の面ではバッテリーがすぐに無くなってしまうので、聞きたい時に電池が無くなって聞けなかったり、
真空管がケースかラインアウト触れる様になっている構造で剥き出しなので、
かばんに入れて使っていると、まさか、火事になってしまうのではあるまいか?
と、本気で心配してしまう様な、まるでストーブのような熱いアンプだったので、
結論的に持ち出しての運用は厳しいなぁと思ってしまうのが現実でした
そう思ってくると、
今度は使い勝手の良い、
評判ももちろん良い、
そして必ず真空管では無いといけないと、
欲深く条件の揃ったポータブルアンプは無いかと色々と調べてみると…
EK JAPANというメーカーのエレキットというシリーズのTU-HP01というアンプがある様でして、色々なレビュー等の情報をあさりました
分かった事はキーデバイスとなる真空管は小型のマイクロチューブというもので発熱はほとんどなく、
真空管らしい温かみのある柔らかい音がするらしい
B-1より使い勝手は間違いなく良くなるだろうと確信はありました
しかし、問題はやはり一番大事な音質の部分
です
今までデジカメ等をたくさん手に入れて、実際に撮ってみて始めてわかる真実しかないのと同様に、
オーディオも実際の生活の中で聞きながら、心に響くものを感じ取らないと本当の音はわかりません
もし、気に入らなかったら売り飛ばせばいいと思いながら、
オークションで良い出物が無いかと探していたら、
おまけとしてMUSES02のオペアンプ付きで出品されている物が見つかりました
おまけのオペアンプとは音質に最も影響する一番大事な心臓部の事で、
交換が簡単に出来るソケット式になっている機種も多いです
実は音を自分好みに出来るのかどうかは、
真空管であるかという事以外にも、
オペアンプの音色や性能が絶対的に優れている事も必要となります
そのオペアンプ界の中でMUSES02は王様の様な存在で、
絶対的な信頼を持っている至高のオペアンプです
通常のグレードで使われる安いオペアンプは部品単価で50円とか100円程度ですが、
安い物でも星の数ほど種類があり、音質は千差万別です
そしてグレードの高いオペアンプは300円から700円くらいとなり、
単品で10万円くらいもする様な高級CDプレイヤーに採用されたりする事が多いです
高級オペアンプが採用された時はメーカーも大威張りで
『高級な部品を採用!』
と書いていたりしますが、
実は、部品としての価格は意外な程に安い物なのです
そんなオペアンプ界のトップスターとして君臨するのがMUSE02で、
その価格は数百円といったレベルでは無く、
単価は2000円とオペアンプの中では最高峰の価格です
そんな高級なMUSE02ですが使用出来る為の条件があり、
本来は高電圧がかけられる家庭用のアンプで無いと動作しないのですが、
多くの低電圧のポータブルアンプとは違い、TU-HP01は乾電池4本の高電圧仕様になっているので、
MUSES02をギリギリで使用する事が可能なのです
そんな夢のあるMUSES02付きにすっかりメロメロな私は、
何の迷いもなく入手する事となりまして、
数日後には商品が届き、
はやる気持ちを抑えながら音を聞いてみました
結論から言うと、期待とは裏腹にその音はあまりにも普通な音でした
付属のオペアンプはバーブラウンのOPA2604とMUSES8820で、
どちらも性格の違うオペアンプですから、
音の方向性はソフトな方向か解像の良いモニター系かと音色はそれぞれ違います
個性の違うオペアンプを交換しながら視聴を繰り返す事で、
共通する音の事実が少しずつ見えてきます
そして、その事実の積み重ねと蓄積が真実として残っていくと私は思うのです
本アンプの音の感想はすっきりとした爽やかな印象ですが、
真空管アンプの特徴である音の厚みや広い音場をあまり感じることは出来ず、
真空管らしい音という意味においてはほのかにしか感じる事が出来なかったというのが正直な感想です
期待のオペアンプの王様であるMUSES02に交換すると、
切れの良さや低音、高音共に音質の向上は見られましたが、
本来の音質からかけ離れて全く違う感動できる音になるというほど甘くはありませんでした
MUSES02の持つ音色はどちらかというとクールサウンドだったので、
ほのかには真空管サウンドだったイメージはより、遠ざかってしまう結果となってしまい、
ますます普通のオペアンプという感想となってしまいました
使い勝手においては評判どおりで、
真空管部分の発熱は皆無に等しく、
しっかりとした振動対策も取られていたので、
真空管特有のヒョロロロと鳴るマイクロフォニックノイズはありませんでした
バッテリーの持続時間もB-01と比べるとロングライフだったので、
実際に使用したい時に電池が切れるといった悲しい思いをする事も無く、
使い勝手としてはB-01とは比べ物にならないくらい良くなりましので、
真空管ポータブルアンプとしての感動は特にありませんでしたが、
普通のポータブアンプとしては良いのではというのが正直な感想です
今回は感動を呼び、使い勝手も良い真空管ポータブルアンプを探すという欲張りな期待は残念な結果となってしまいました
前回のB-01は使用時間が短くて、熱くて持ち歩けないと欠点の多い太古の性能のアンプですが、
古くて邪魔くさいものほど実は本質は良いという事象は、
オーディオといったジャンルを超えて共通項のある真のプレミアムです
真空管ポータブルアンプを聞き比べる事で色々な事が発見出来た今回は私にとって大きな糧となったのでした
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